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夢と狂気と王国

以前友人にすすめられたジブリのドキュメンタリー映画「夢と狂気の王国」を見ました。
ドキュメンタリーは、フィルターのかからない事実を映している、ようにみせかけながら、多かれ少なかれ撮り手の主張は入れてくるもんですが、見ようによっては、かなり意地の悪い見方でとってるなあこれ。

「夢」「狂気」「王国」とキャッチーな言葉が三つも並んだタイトルですが、この中でどれが一番この映画にとって大切かというと、たぶん「王国」ですよね。で、撮りたいのが何かって言うと滅びの美というか、「ジブリ王国の晩秋」に見えたりするんですが…ええ、ジブリ崩壊を見越してるの前提でしか出てこない視点ですなあ、これは。
ラストの、宮崎駿が幼稚園児を見守るカットって、「国王・駿おじいちゃんは、死んだんじゃないんじゃ。トトロになって、子供たちを今も見守っているんじゃよ」…そういう意味あいの絵がほしくて、やってもらってますよね…。

「宮崎駿というアニメのお化けが映って、動いて、しゃべってる」というだけで、たいていのジブリドキュメンタリーは面白くなってしまうもので(富野監督なんかも、「映ってる」「しゃべってる」それだけで面白い類の映像になってしまう人ですね)、その基準では十分面白いし、ちょっとだけでてくるご子息・吾郎さんのイライラ感や、時折話に出てくるだけで「あんまり画面には写らないけど、この人が多分一番人としてぶっこわれてる」と思わせられる高畑勲の存在感も面白いんですが、自分にはこの作品は、作り手のフィルターが少し強すぎたかなあ。
「老王のキャラクターをこう撮りたいってのはわかった、けど、もっとアニメ作ってるとこ見せてくれ、絵が上手い人が絵を描いてるまさにその時の手元の動かし方をもっと見せてくれ」と、自分の絵の技術と魅力のなさにうんざりしている自分は思ってしまいました。期待してるとこが違うんでしょうが。

ここ何年かで見たドキュメンタリーの中では「精神(メンタル)」「犬と猫と人間と」「いのちのたべかた」なんかが面白かったです。これらも当然ある程度作り手の手の内で作られてる部分は作られてるんでしょうが(特に「いのちのたべかた」は)、最期のところの判断は、客に投げてくれてる気がするんだよなあ。「アンヴィル」は…すげー面白いけど、あれどこまでドキュメンタリーとしてみていいんだろ。メタルの観客の律儀さが、ちょっとわからないので、そういう感想になります。でも比較されがちな「レスラー」の自殺エンドよりは好き。

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あ、ジブリといえば、「千と千尋の神隠し」のBD買いました。ストーリーとかはどうでもいいんだよ!僕にとっては、くっそかわいい千尋ちゃんのくっそかわいいイメージビデオなんだから!
で、多分今度でる「かぐや姫のものがたり」のBDも多分買います。こっちは、生きてるのが今よりもよりいっそうイヤになるために買うんだと思います。でも、プルとなぎさとほのかのフィギュアも欲しいんで、金がまわらねえ。

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もう全部うっちゃってしまおうかな。
体を通じたものを得ないと、僕の創作はこれ以上変わらない。お遍路いきたい。

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非公開コメント

「自分の幸せとか、やりたいことがある人はココ(ジブリ)にいちゃいけないと思う」

おぉ王国を観られましたか。あの映画は、監督・砂田麻美嬢の邪悪にして絶妙な編集技がとにかく見ものです。
「本当ではないが、嘘でもない」あたりをつないで、望みの絵図を描き出す手腕はまさに魔法。

あれだけ我が強い画を撮る人間が、よくもまぁ存在感を消してジブリに潜入できたもんやで、と。
嬢はまっこと、人たらしにも長けております。

「夢と狂気の王国と邪悪な魔法使い」ですな。怪人魔人の共食い百鬼夜行です。

あと、近年のドキュメントでしたら「アクトオブキリング」もかなりヤバくて面白いですぜ。
是非。

Re: 「自分の幸せとか、やりたいことがある人はココ(ジブリ)にいちゃいけないと思う」

> おぉ王国を観られましたか。あの映画は、監督・砂田麻美嬢の邪悪にして絶妙な編集技がとにかく見ものです。
序盤ですが、まあなんてわざとらしく、菅直人の反原発の選挙演説をぶっこんで来ること。完全にキャラ付けしてますね。あれってもうほとんど普通の映画のコンテだし、技法じゃないかしら。わざわざ赤毛のアンを想起させるような桜並木を撮ってみたり、我の強い画でした。メイキングで映ってた、法務部の人だったかな?背広のおじさんを説得する監督と思しきねーちゃん、気が強そうで強そうで(僕の勘違いで、ジブリの広報のお姉さんかもしれないけど)。

>「自分の幸せとか、やりたいことがある人はココ(ジブリ)にいちゃいけないと思う」
細田監督のハウルの一件とか見ても、わざわざ劇場にこの映画見に行くような人にとっちゃ、すでに共通認識だよにゃあ。

> あと、近年のドキュメントでしたら「アクトオブキリング」もかなりヤバくて面白いですぜ。
> 是非。
ググったけど、なかなかに血なまぐさそうだなあ。レンタルしてくれてるかしら。
上で挙げたものの他には、有名でも刺激的でもないけど、特に期待せずに借りた「ヨコハマメリー」は、なかなか好きです。
プロフィール

佐々木バレット

Author:佐々木バレット
佐々木バレットと申します。舟名義で活動することも。
しばらくお休みしていましたが、マンガ活動再開しています。

現在、主にコミックMateで活動中。
またコミックウォーカー上で、舟名義でホラー漫画「カタリベ」の漫画も担当しています。

HPはこちらになります。
You Look'in 華々しき Rock'n Roll WOW!
また、拙著『おさなブライド』は、現在電子書籍版がDMMなどで配信されています。

ご連絡いただく際には、下記あて先の「$」を「@」に置き換えたメールアドレスにお願いいたします。
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