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となりの山田くん

なんとなく「そういや内容ほとんど忘れてるなあ」と思ってしまって、「となりの山田くん」をレンタルしてみました。
ジブリのやつです。

もう随分前に見たもので、ほとんど内容は記憶に残っていなかったのだけれど、1シーンだけずっと頭に焼き付いているシーンがあって、それはお父さんが怖い怖いヤンキーに絡まれているところへ、かーちゃんとばーちゃんが突然「♪ほ、ほ、ほーたる来い」と場にそぐわないのほほんとした童謡を歌いながら助けに来るシーンです。

なんでこのシーンだけこんなに覚えてるのかなあと不思議だったんだけれど、こんかい見直して理由を思い出しました。ヤンキーに絡まれるシーンが、めちゃくちゃ怖かったからだった。
そうそう、ずっとのほほんとした四コマの絵柄でつづられる中、このシーンだけ突然リアリズム丸出しのリアル等身で描かれてたんだった。ストーリーの内容自体も身近に起こりそうなことで地味に怖いのだけれど、それ以上に「ここだけ八頭身」という表現方法が、怖くて怖くて。
デフォルメなく、人間の肉の動きをそのままトレスしたような動きと影。写真のような絵の密度、正確さ。これまでおもしろの絵柄だったのに、冗談・ユーモア・ジョーク・ごまかしが一切入り込む余地のない、生肉状態のリアルを突然暴き出されたようで、こんなもん急に食べさせられたら、腹が冷えてお腹痛くなっちゃうよ。僕は、文明人で人間だから、畜生みたいに生肉なんて食えないよ。
なのに「食え!リアルだ!」と鼻先に突きつけられてる怖さ。
そして避けようなく食わざるをえない怖さ。
そうだ、このリアルの威圧的な恐怖感が、強烈に脳に焼き付いていたんだった。

それがかーちゃんとばあさんが来たと同時に、おもしろ四コマの絵に戻る。
てきとーな線のてきとーな絵が、リアリティを適当に塗り潰し、彩ってくれた蛍のシーンが忘れられなかったんだという、初めて見た時の「ほっとした」感覚が蘇ってきました。
ほっとしたんですよ。リアルが消えて。
ああ、もう無理だよ。
ユーモアという火もなく、むき出しのリアルと向き合えるような”マッチョ”な大人には、僕はなれなかったのです。

タフガイ? ぺっ!!!!!!!!!!!!!(すっぱい葡萄を見上げるキツネの気持ち)

このシーン以外にも、ひしゃげたガードレールと空き缶に備えられた花、という1カットも、寒々しくリアルに描かれていたんだという新発見もあり。前段階として、絵柄は四コマなものの、ばーちゃんが友人の年寄りのお見舞いにいくエピソードで、老いと病気と死のどうしようもなさが突き放した形で描かれていたり。
端的に言うと、やっぱり高畑勲の映画を観たあとの感想は、どうにも常に「あー死にたい。よし死のう」になってしまう、というお話。
テレビシリーズは、そんなことないんだけどなあ。ちえちゃんしかり、アンしかり。

それにしても、ののちゃんとのぼるの同級生のオレ女はかわいいなあ。
プロフィール

佐々木バレット

Author:佐々木バレット
佐々木バレットと申します。舟名義で活動することも。
しばらくお休みしていましたが、マンガ活動再開しています。

現在、主にコミックMateで活動中。
またコミックウォーカー上で、舟名義でホラー漫画「カタリベ」の漫画も担当しています。

HPはこちらになります。
You Look'in 華々しき Rock'n Roll WOW!
また、拙著『おさなブライド』は、現在電子書籍版がDMMなどで配信されています。

ご連絡いただく際には、下記あて先の「$」を「@」に置き換えたメールアドレスにお願いいたします。
sasakibullet$mail.goo.ne.jp

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